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総合化学メーカー総合職の化学工学ブログ

化学工学技士(基礎)その4 ~2015年解答~

こんにちは、ようちゃんです!

 

引き続き化学工学技士(基礎)過去問の解答アップロードと簡単な解説をしていきます!

 

今回は2015年の試験です。

初めに私が解いた手書き解答を載せますねー!

自信がない点や分からなかった点もありますのでもし気づいた方がいらっしゃいましたらコメントにてお知らせください、、(*_*;

 試験問題は化学工学会 » 化学工学技士(基礎) 過去の試験問題より。

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以下簡単な解説やコメントです。

 

A1 分離工学

主に機械的分離に関する正誤問題です。物質の状態を変化させずに分離できる機械的分離操作(沪過、沈降分離、集塵、分級、膜分離、圧搾など)は化学工学で非常に重要なプロセスです。

 

A2 物理化学(気体の性質)

z線図を見ながら実在気体の挙動について考える正誤問題です。気体の性質については温度と圧力それぞれ変化させたときにどう変わるか理解しておきましょう。合わせてファンデルワールス型、ビリアル級数型の状態方程式についても復習しておくと良いです。

 

A3 燃焼プロセス

2013,2014年にも出題された燃焼プロセスに関する問題です。化学量論比と理論空気量および理論酸素量に関する知識があれば大丈夫です。

 

A4 流動

円管内の流れに関する出題です。レイノルズ数の定義とファニング(Fanning)の式、物質収支を理解しておけば誘導に従って解くことができます。

 

A5 相平衡

二成分系の相平衡図(状態図)について考える問題です。本問の場合は相平衡図に関する知識の有無ですべてが決まります。

 

A6 伝熱操作

伝熱の3形態のうち伝導伝熱と対流伝熱について問われています。伝導伝熱は熱伝導率を用いたフーリエ(Fourier)の法則、対流伝熱はフーリエの法則と似た形ですが熱伝達係数を用いた線形推進型の式で熱流束を考えることに注意してください。

 

A7 気液分離

単蒸留プロセスに関する基本的な出題です。蒸留では気液平衡が大切となるため、ヘンリー(Henry)の法則、ラウール(Raoult)の法則を必ず理解しておきましょう。あとはドルトンの分圧法則と物質収支式を考えて式変形していけば大丈夫です。

 

A8 反応工学

管型反応器(plug flow reactor, PFR)内で複数の反応が同時に進行する問題です。いつも通り物質収支式を各成分に関して立てていけばよいのですが、複数の反応が進行するタイプでの式変形は一度見たことがないとやや手こずるかもしれません。

 

B1 反応工学

またもや反応工学です。リサイクルプロセスを考えていることが特徴ですが、結局はただのPFRなので流入と流出の範囲に気を付けて物質収支式を立てて解いていけば問題ないです。

 

B2-1 吸着プロセス

ラングミュア(Langmuir)型の吸着等温式の導出と計算問題です。この内容そのまま物理化学や反応工学の教科書に載っていることがほとんどであり簡単に感じる人が多いと思います。もし吸着等温式についての知識が全くなくても誘導が非常に丁寧に行われているので解くことはできます。

 

B2-2 蒸留

蒸留塔の設計をマッケーブ-シール(McCabe-Thiele)の階段作図法によって求めるという化学工学では基本中の基本の問題です。気液平衡線図の中に物質収支から求められる濃縮部操作線、回収部操作線、q線を書き込んで階段作図を行えば理論段数を計算することができます。回収部操作線の傾きは再沸比が分からないと求まらないので後回しにすることが多いです。

 

B2-3 ガス吸収プロセス

ガス吸収塔の設計に関する問題であり、こちらも化学工学では頻出の問題です。吸収に関与しないキャリアガスとキャリア液を基準に物質収支を考えて逐次計算していけば大丈夫です。

 

B3-1 集塵

大気中の塵を雨によって回収する過程をモデル化して捕集効率を計算する問題です。誘導に従って簡単な常微分方程式(物質収支式)を導出して解くだけです。

 

B3-2 プロセス制御工学

プロセスシステム制御とも呼ばれる学問で、機械工学で重要な分野である制御工学を化学工学の問題に当てはめた問題です。化学プロセスを数式モデリングして物質収支式を中心とする状態方程式を導出し、入力と出力に注目して出力をコントロールする手法を考えます。ラプラス変換の知識が必須となるので覚えておきましょう。とはいってもラプラス変換表を知っていれば大丈夫な程度です。

 

B3-3 物理化学(化学熱力学)

往復圧縮器による熱力学サイクルを題材にした問題です。熱力学の基本式(熱力学の第一法則、仕事の定義、エントロピーの定義、エンタルピーの定義、ギブスエネルギーの定義、ヘルムホルツエネルギーの定義)を理解していれば簡単に解けます。

 

 

以上で2015年過去問の話を終わります。訂正や質問はぜひコメントにお寄せください。

 

ではまた(*˘︶˘*).。.:*♡

 

今回は反応工学の本を紹介します。この本は基本的な化学反応操作に関して丁寧に記述しています。

 

 

2019年の過去問解答はこちら↓

 

yochan-chemical-engineering.hatenablog.com

  

2018年の過去問解答はこちら↓

 

yochan-chemical-engineering.hatenablog.com

 

2017年の過去問解答はこちら↓

 

yochan-chemical-engineering.hatenablog.com

 

2016年の過去問解答はこちら↓

 

yochan-chemical-engineering.hatenablog.com

 

2014年の過去問解答はこちら↓

 

yochan-chemical-engineering.hatenablog.com

 

2013年の過去問解答はこちら↓

 

yochan-chemical-engineering.hatenablog.com